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2014年10月5日日曜日

精神科における予診の取り方

 

予診の総論

①病人自身に先に会うか、付添者にあうか

1. 病人自身が一人でやってくる人

2. 誰かに付き添われてくる人

3. 病人の代わりに第三者が相談にこられる場合

1.3. の時は言わずもがなで、やってきたその人から予診とるしかない

2. 身近な家人から話を聞くのが良いだろう

⇒本人には、自分しかわからない睡眠・食欲・便通・性欲について尋ねるくらい

*睡眠の情報はとても大切である

②簡潔な主訴を冒頭に

 

予診の際の着目点

①自発的にきたか、連れられてきたか

自発的に来る人は「苦痛」を持っている。

⇒この場合、たいてい治療意欲を多少とももつ。そして心的エネルギー水準の低下もそれほど低くない。

⇒一方で、連れられてきた人の中は、一見紳士風でも治療意欲は低いか、あるいはない人がいる。

⇒ただし、付添に連れられてしぶしぶやってくる人のすべてが病識不十分な精神病とは限らない。アクティングアウト傾向の多少ともみられる適応障害の人やパーソナリティ障害の人の中には、内的に不安や苦痛を感じにくいのでなかなか自発的に来ない人がいる

⇒逆に一人できたから「精神病ではない」ということにはならない。今日、統合失調症でも数多くの人が自ら治療を求めて自分からくる。

②年齢・性

③これまでの社会的機能: 数年さかのぼり それは予後予測因子となる

「発症までどの程度の社会生活をこの人は営んできたか」

数年くらい遡る

⇒逆に予診の段階で、幼少時期の母子関係にまでさかのぼる必要はまずない

例えば同じうつ病でも「年齢」+「症状」「性格」と病前の社会適応度を知ることで、予後判定は異なってくる。

中年のメランコリー神話型性格の持ち主で、平均以上の社会適応を病前に示していた人であれば、そのうつ「症状」が少々非定型的でも予後良好と判断してまず良い。

少々長引いても、「休息する」ことを基本に置いた薬物療法をつづけるべきである。

逆に症状は典型的に見えてもアナムネーゼに職業を短期間に転々としていたり、アルコールや薬物ないし、それに準じる状態の時期がはさまっていたりした場合には、その予後はそれほどカラッとしないことを予想したほうが良い。

統合失調症の1級症状があっても今までの社会機能にそれほど破綻がない、あるいは間然するところのない成人の場合、予後はふつう良好である

青少年・学生の場合は社会的適応といっても何を目印にするか?

⇒学校への出席・友人関係の濃淡・学業成績あたりか

④性格について: 内向性、energy、仕事好き、几帳面、思いやり

うつ病と

メランコリー神話型、循環性格、強迫性格、自己愛性格、

統合失調症と

分裂性格、内航性格、反抗期をもたぬ温和で自己主張の少ない良い子との関連度は高い

性格を正確に自己描写できる人は少ない

⇒こちらからの刺激後が大切である

a)内向的か、外交的か あるいは、非社交的か社交的か

友人は少ないか、多いか。世話好きか否か。

⇒要するに対人態度に関する陽と陰。

b) エネルギーのある方かどうか。精力的か、無力的か。

同じない後者でもエネルギーのある人とない人。外向き者でも無力的な人もいる。体の強い人、弱い人。

c) 仕事好きかどうか。

これは社会機能の良否と関係する。外向的で精力的でもそれが社会機能となってどこまで結実しているか、という見方である。

d)几帳面かどうか。

完全主義的傾向の有無という方が正確かもしれない。

⇒a)b)c)よりも細かくなるが、今日の精神病理にとって有用な項目である。

e)同調性

あるいは開放性

あるいは人へのおもいやりの有無

「思いやり」というとここには、少し価値判断が入るので注意を要するが、同じ内向き者でも、同じ強迫者でも対人的配慮の出来る人とできない人がいる。あるいはしすぎる人がいる。色々の訊ね方があろうが、「思いやり」という刺激語は意外に有効なように思われる。

⑤発症契機

家認は心因論に傾きやすい

偶然、経時的におこった複数の出来事を強引に疑似了解的に結び付ける危険を孕んでいる

非心因的前提条件、器質的な疾患を無視させる、危険もはらむ

現代人、特に都市在住者には発達途上の青少年でもない限りは、それほど見事なヒステリーや心因反応は稀と考えておく方がよい

DSM-Ⅲは乖離障害という項目で現代的なヒステリーに注目を促したけれども

日常心理学的な了解を超えた心因(ないしは状況因)は家人によっては黙殺される可能性がある。「ここで状況因」というのは、例えばサラリーマンにとっての昇任とか、家庭婦人にとっての「転居」とかがうつ病の契機になるといった場合である。証人という一見喜ばしい出来事が「心因」たりうる。

心因たりうる出来事

a) 過労

b) 対人葛藤

c) 離別もしくは死別

「喪失体験」とした方がよいかもしれない

あるいは「対象喪失」

d)試験、あるいは試験に準ずるところの「試される」状況

e)遭難

f)日常環境の比較的急な屈折的変化:仕事上の転勤、承認、配置換え

子女の結婚、婚約、遊学、死亡、別居、誕生などによる家族構成の増減

生命にかかわらぬ程度の身体疾患ないし負傷。負担の急激な増減(特に減少も注意)

出産による心身の変化。住居の移動や改造

⇒負のストレスっていうものもあることを知っておくこと

g)すこぶる過酷な非日常的な環境になげこまれること

⑥家族に関する事項

両親の存否、年齢、没年、病歴

同胞は、年齢の上から順にきくと聞き落としが無くて良い。

同胞の一人一人について性格等を聞いても、それほど時間はかからない。

遺伝歴については、初診時に十分には聴取できないものと思っておく方がよい。

⑦生活史

「特記すべき出来事」のみで十分であろう。

「外的生活史」と「内的生活史」(ピンスワンガー)があるが、家人から聴取することができるのはもちろん前者である。

a)出産前後の模様

産後、母に精神的不適応はなかったかも含めて

b)幼少時期両親のひざ下にあったか

幼児期、何らかの理由で長期間母親から離れることはなかったか。母親の心理的安定を脅かすような事態があったか。

母代理者がいたら、どんな人か。

c)学校関係

学歴や成績を大まかに知りたい。

その精神病像が原始反応的ニュアンスをつよく帯びるとき、素朴な社会文化的背景、平均以下の知能という条件があったら、その病像を「反応」として了解する可能性を高める。

逆に高学歴で、知能の高い人に同様のことがおきたときは、反応より内因的な「病的家庭」がより多く問題と考え得る。

また登校拒否、怠学の有無、出席状況も聞くべきであろう。

d)職業生活

内容だけでなく、転々としたか

e)結婚生活

少し聞きにくくても性生活は参考になる

時に、1人で来た人で初対面からいきなり「内的生活史」をしゃべりだす人がある。

⇒病人の過たる内的生活史は、いうまでもないが、必ずしもそのまま外的現実ではない。

例えば、もしある婦人が初診でいきなり小児期父親との間に近親相姦があったと言ったとしても、それを直ちに現実とみて良いかどうか検討することは予診では不要である。

⑧身体的既往歴

身体疾患や治療薬に起因ないし関係した精神症状が話題にされることが少なくない

大まかに、軽重にかかわらず意識のくもりや平素のその人らしからぬ言動のある時、特に年配の人の場合、脳器質性疾患、全身病、中毒性の物質を使っていないか、常用しているならその治療薬をきく

てんかん発作らしさはないか

おわりに

うつ病圏、ノイローゼ圏、統合失調症圏の人で、3分の2から4分の3を占めてしまうのでそれらを想定して書いた

しかし、「身体的基盤をもった精神障害」や「児童の精神障害」がある場合には、夜間せん妄の有無、あるとすればその発生時期、頻度、異常行動の模様とか

2014年9月13日土曜日

IgG4関連疾患

 

§IgG4関連疾患

IgG4-RDは日本で確立されたステロイドに反応する良性疾患であり、少なくとも自己免疫性膵炎はIgG4RDの一部である

IgG4-RDは炎症病態とはいえず、不明熱にもなり難いが、他臓器病変+高ガンマグロブリン血症を呈する疾患。

 

(1)概説

壮高年男性に多く、抗核抗体陰性、膠原病と関係しない

各臓器の腫瘤にIgG4酸性形質細胞の浸潤がある

○IgG4とは?

慢性の抗原刺激を受けた時に生じる

補体結合性抗体による免疫複合体性炎症に拮抗

IgEによるアレルギ―性障害に拮抗する

アレルギー患者ないし、IgE高値例に高IgG4がしばし認められる

⇒CSSでもIgG4↑、疾患活動性と相関

○IgG4-RDとは原則としてCRP0であることが初期判断に重要

⇒熱性病態でもないが炎症性腹部大動脈瘤は例外

 

(2)IgG4-RDに先立って知られていた疾患群

1. 自己免疫性膵炎/ Autoimmune pancreatitis

浸潤形質細胞はIgG4陽性細胞の比率が高い

多くは閉塞性黄疸または糖尿病によって気づかれ、膵腫大・膵管狭窄の画像をみてかつては膵腫瘍として手術されたが巣状のリンパ球・形質細胞浸潤、それを取り囲む線維化

⇒PSL 30-40mg/dayを著効して、腫大・黄疸・糖尿病が改善する

2. Mikulicz病

唾液腺と涙腺の腫大病変

Sjogren症候群と混同されたが、分泌低下は乏しく、抗SSA抗体陰性で、ステロイドに反応する点でSjogren症候群と異なる。全く別疾患であるサルコイドーシスの唾液腺腫脹まで含めてMikulicz症候群と言われたこともある。

3. 後腹膜線維症/ retroperitoneal fibrosis

後腹膜腔で炎症浸潤細胞と線維化を伴う軟部組織が増生し、血管や尿管を取り巻き、臨床的に疼痛ないし、炎症性腹部大動脈注、水腎症・腎後性腎不全を呈する

⇒多くは血清IgG4高値であることがわかった

4. IgG4-RKD

*後腹膜線維症、腫瘤による腎盂・尿管の圧迫⇒水腎症、腎後性腎不全

*尿細管間質性腎炎

尿細管~間質に巣状のリンパ球・形質細胞、それを取りまく線維化

IgG4陽性形質細胞が多い、好酸球の浸潤も見られる

まとめ: 腫瘤性病変と高γグロブリン血症を見た際にはIgG4-RDを疑うべき

臓器別の病態名

頭頸部; 肥厚性硬膜炎(脳神経の圧迫障害、頭痛)。下垂体縁、炎症性偽腫瘍、耳下腺炎、涙腺炎

胸・腹; リンパ節炎、間質性肺炎、肺・縱隔腫瘤、自己免疫性膵炎、硬化性胆管炎、炎症性腹部大動脈瘤

腎・泌尿器; 尿細管間質性腎炎、水腎症、前立腺炎

 

(3)症状

圧迫症状(膵管、胆管、尿管、腎、神経、血管)、糖尿病(←膵炎)

例えば、軽い腹痛、黄疸、腎不全、脳神経圧迫症状、頭痛で受診する

Ex: 嗄声・嚥下障害で発症し、脳神経圧迫の原因となるpachymeningitisを認めた。珍しい気管支粘膜の腫瘤性病変も見られ、所見はすべてステロイド治療で改善したが嗄声は遷延した。

 

(4)検査

○血液

血清IgG高胝

IgG4>135mg/dl

IgG4/IgG index>8%

ときに好酸球増加、血清IgE高値、通常CRP0

○画像検査

肺(寒湿、儒喀の浸潤影または腫瘤影)、腹部・後腹膜腔(腫瘤、大動脈瘤)、頭部(脳硬膜粃糠、大腦のpseudotumor, 下垂体炎)

 

(5)治療

PSL:0.6mg/kg/day

一般に著効するが線維化病変には効きにくい

線維化した腫瘤の尿管圧迫による腎障害は回復しにくいこともある

自己免疫性膵炎によるDMもすぐに治るわけではない

高齢者が多いので、感染及び長期的副作用に気を遣う、減量中の再然も多い

 

(6)診断基準

癌・悪性リンパ腫、WG、Sarcoidosis, CSSなどを除外すべき

炎症性大動脈瘤を除いてCRP上昇は認めにくい

1. 特徴的な、びまん性または局所性の腫大病変が単発または多発

2. 血清IgG4>135mg/dL

3. 生検像

①明瞭なリンパ球。形質細胞浸潤と線維化像

②浸潤形質細胞; IgG4陽性細胞/IgG陽性細胞比>40%かつ

強拡大視野にIgG4陽性形質細胞>10

診断: 1+2+3: 確実、1+3: 多分IgG-RD、1+2: IgG-RDの可能性あり

2014年9月7日日曜日

睡眠薬のトリセツ

睡眠障害基本の基本

§睡眠の基礎

睡眠の定義: 動物の内部的な必要から発生する1次的な意識水準の低下かつ刺激により覚醒が可能な状態

 

§NREMとREM睡眠

REM: 睡眠の20-25%を占める; サーカディアンリズムによる時刻依存性がある。明け方で出現しやすく、昼間には殆ど出現しない。

NREM: stage1-4まである

 

§ 不眠診療の概説

(1)不眠の定義

①睡眠に関して困っている

②睡眠の問題のために日中の生活に支障をきたしている

(2)不眠の原因

原発性と続発性

続発性で最多: 睡眠時無呼吸症候群+restless legs syndrome

(3)不眠の評価

不眠のタイプ: 入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒、熟眠感欠如

不眠の経過: 発言の時期、気管、頻度、重症度

就寝前の環境

就寝・起床のschedule

夜間の症状

日中の活動

身体・精神疾患の既往歴

薬剤及び痣高頻

睡眠薬に対する抵抗や依存性の有無

(4)不眠の検査

不眠は自覚症状のみで診断され客観的な検査は必要無い

(5)不眠治療の基本

認知行動療法がその機会があれば第1選択となる

BDZは習慣性を懸念

出来るだけ少量で開始し、ふらつきや起床時の眠気など副作用に注意して増量する

BDZは長期に連用すると中止時の反跳性不眠が出現しやすい

なるべく2-3週間までの短期間の間欠的な使用をこころがける

(6)不眠と精神疾患

うつ病や、統合失調症などでは睡眠の正常化がなければ精神症状の改善は難しい

また再然riskが高まる

(7)睡眠障害群

不眠症: ねむれない

睡眠関連壷球異常症: 睡眠中の呼吸の異常

過眠症: 日中の過剰な眠気

概日リズム睡眠異常症

睡眠時随伴症

睡眠関連運動異常症

 

§入院患者の不眠

不眠にひそむ【せん妄】【うつ病】を鑑別する目を鍛える

(1)夜眠れない=不眠ではない

①身体症状

疼痛: 痛くて眠れない

頻尿: 前立腺肥大

掻痒感: 肝不全

呼吸困難: 喘息

②薬剤性はないか

ステロイド

中枢神経刺激薬

BDZ・バルビツレート系の退薬症状

利尿薬

24時間点滴による夜間頻尿

喘息薬: ephedrine、theophylline

抗うつ薬: アモキサピン、イミプラミン

③精神疾患の存在

せん妄: 昼夜逆転と注意力障害

うつ病: 不眠だけでなく食欲不振、意欲の低下、気分の落ち込み

(2)せん妄の見落としに注意

術後患者の50%に、一般病棟の30%に合併する

①急性のwaxingとwaning意識障害(lucid intervalsもある)

②知覚(perceptual)の障害(hallucinations, illusions, delusions

③好戦的combative, 被害妄想的、昏迷状態stuporous

④集中力低下、睡眠サイクルの逆転、夜に症状悪化(sundowning)

超短時間作用型睡眠薬はせん妄を増悪させてしまうため不眠とせん妄はしっかり鑑別

 

§薬物療法の基本的な進め方

(1)睡眠薬の選択方法

1. 不眠で困っている時間にあわせて睡眠薬を選択する: 入眠困難、中途覚醒、熟眠障害

高齢者や肝障害患者では、血中濃度高くなり持越し効果が出やすい

2. 副作用の少ない睡眠薬を選ぶこと

筋弛緩作用の有無に着目して転倒の危険性を高めないように心掛けること

長期使用と高用量の使用によって耐性と習慣性、急な中断時の反跳性不眠が生じにくい薬剤を選択するように心掛ける

⇒BDZ系のなかでも半減期の短い超短時間・短時間作用型の薬剤で強い

⇒非BDZ系のゾルピデム(マイスリー)、エスゾピクロン(ルネスタ)、ゾピクロン(アモバン)、メラトニン受容体作動薬のラメルテオン(ロゼレム)ではほとんど見られない

3. 睡眠薬のもつ抗不安作用を意識して選択する

不安の強い患者の不眠にはゾルピデム・メラトニンアゴニストは効果乏しい

不安の強い患者には、BDZ系やエスゾピクロン(ルネスタ)、ゾピクロン(アモバン)の方が効果的→ただし筋弛緩作用もある… ま、マイスリーもあるけどね

■一般的な入眠困難をもつ不眠患者

ゾルピデム(マイスリー) 5mg 1回1錠 1日1回

エスゾピクロン(ルネスタ) 1mg 1回1錠 1日1回

■不安が強くて寝つけない

ブロチゾラム(レンドルミン)0.25mg 1回1錠 1日1回

ロルメタゼパム(エバミール) 1mg 1回1錠 1日1回

→個人的には、エスゾピクロン(ルネスタ)、ゾピクロン(アモバン)使いたい

■不安が強く、頻回の中途覚醒や中途覚醒後の再入眠困難を訴える患者

ニトラゼパム(ベンザリン) 5mg錠 1回1錠 1日1回

フルニトラゼパム(ロヒプノール) 1mg 1回1錠 1日1回

→中時間作用型のBSZ(T1/2 20-30hr)

■不安はあまり強くないが中途覚醒や早朝覚醒を訴える患者

クアゼパム(ドラール): 長時間作用型でBDZではあるが習慣性が少ない

■睡眠薬が効果乏しいと評価したとき

ゾルピデム(マイスリー)5mg→10mgへ

エスタゾラム(ユーロジン) 1mg 1回1錠 1日1回→1回2-3錠

■中途覚醒や早朝覚醒が残存する場合

ゾルピデム(マイスリー)10mg錠 1回1錠 1日1回

→リルマザホン(リスミー) 2mg錠 1回1錠 1日1回

ロルメタゼパム(エバミール)1mg錠 1回2錠

→ニトラゼパム(ベンザリン) 5mg錠 1回2錠

■ラメルテオン(ロゼレム)8mg 1回1錠 1日1回

筋弛緩作用がなくて高齢者にも使いやすい

(2)睡眠薬開始して数日の時点で注意すべきこと

睡眠薬のしっかりした効果が得られるためには数日~1週間くらい要する

→中-長時間作用型では特に

(3)睡眠薬を減量・中止するタイミングとその方法は?

1. 不眠の原因を取り除いてから→中止し、再度眠れない日々が続くと不安感↑↑

2. 不眠に対する不安が消失してから

3. 減量や中止によって予測されるデメリットを理解してもらうこと

4. 急な中断をしないこと→BDZ系は作用時間が短いものほど反跳性不眠が生じやすい

短時間BDZ: BDZ系; ロルメタゼパム(エバミール)、リルマザホン(リスミー)

:チアノジアゼピン系; ブロチゾラム(レンドルミン)

■具体的な方法は?

A. 投与量をへらす

B. 休薬期間を徐々に伸ばす

C. AとBを組み合わせる

■BDZ系の副作用は?: 基本的に肝代謝

1. 鎮静作用、筋弛緩作用

2. 前向性健忘

3. 離脱

4. 習慣性・依存

5. 反跳性不眠

6. せん妄: 脳の器質的な障害や高齢者、術後などの身体的に負荷がかかっている患者にBDZ系を使う際には注意が必要である

7. その他

■BDZ系の注意すべき相互作用

1. 薬力学的相互作用

アルコールと作用を増強しあう

その他、抗ヒスタミン薬や抗精神病薬等の併用も強力な鎮静を生じるため注意が必要

2. 薬物動態的相互作用: BDZはCYPで代謝される

CYP阻害=BDZの作用増強する: イトラコナゾール、フルコナゾール、HIVプロテアーゼ阻害剤

CYP誘導=BDZの作用減弱する: リファンピシン、カルバマゼピン、フェニトイン、セントジョーズワート

■メラトニン製剤: 睡眠覚醒リズムの障害を改善する

英国精神病学会では55歳以上にはメラトニン(徐放剤)を推奨している

ただし、効果に個人差が著しい

睡眠潜時は短縮するが、中途覚醒は改善しない

位相前進: 夜早く眠くなり、朝早く目覚める⇒朝メラトニン投与

位相後退: 夜間眠くならず朝眠くなる   ⇒夜メラトニン投与

■抗ヒスタミン薬

抗コリン系の副作用に注意すること

■抗うつ薬

トラゾドン: 鎮静作用が強く半減期6-8hrであり

ミルタザピン(レメロン、リフレックス)が睡眠薬として使用される場合がある

⇒特にトラゾドンは鎮静作用が強い薬剤であり、半減期も6-8時間のため睡眠薬として米国ではよく使われる

⇒抗ヒスタミン効果、抗エピネフリンα1阻害作用による

軽いせん妄の患者さんの睡眠薬としても使用されることがある

■抗精神病薬

クエチアピン(セロクエル)やオランザピン(ジプレキサ)などの抗精神病薬

⇒通常の治療量の1/10程度で効果が得られる

⇒半減期が短いので高齢者やせん妄リスクの高い患者に使いやすい