眼科まとめ
そもそも眼とは?眼科とは?
①光学系としての側面→その異常
②神経系としての側面→その異常
§. 総論1-光学系としての側面: 解剖生理と症候
(1)解剖生理
レンズ→網膜に光のピントを合わせる
主: 角膜→水晶体→網膜
支持物: ぶどう膜、強膜
瞳孔括約筋: 動眼神経支配
○光の通り道
角膜→前房、後房→水晶体→硝子体(99%水でできている)
:透明を維持するために血管存在しない。
:角膜内皮の役割: 細胞間の接着密であり房水が入るのを防ぐ(濁らないように)
:房水の存在により角膜の膨らみを維持できている(前眼部の構造の維持)
**水疱性角膜症
角膜内皮細胞<500/㎟
○虹彩: しぼり; 光量の調節
縮瞳(副交感神経)/ 散瞳(交感神経)
○房水
毛様体上皮→後房→前房→隅角、線維柱帯→シュレム管→静脈
(2)屈折障害
①種類
結像点が網膜より前: 近視; 眼軸が前後方向に長い→凹レンズで修正する
結像点が網膜より後ろ: 遠視
近視 | 遠視 |
軸性(軸の長さによる) 凹レンズ | 軸性、屈折性 凸レンズ |
Cf. 乱視→どこにも結像しない
Cf. 老眼→近用眼鏡(近くを見るための眼鏡)
②検査
1. 自覚的なもの
Landolt環
5m. 1分の角度を識別できる視力を1.0とする
視力=1/最少視角(分)
2. 他覚的なもの→線状の光を入れて眼底からの反射で定量する
@検影法/オートレフラクトメーター
③具体的な症例
1.0が読めた→二つの可能性
1. 正視
2. 代償している遠視(軽症ならば補正できる)→レンズを厚くして調節できる
鑑別→凸レンズを入れる→正視ならば見えなくなる、遠視なら見える
コンタクトレンズで調節できるもの、できないもの
不同視: 左右で2D以上違う cf. 不等像視: 網膜像の大きさ異なるもの
円錐角膜: 修正可能
@無水晶体→可能
角膜ジストロフィー: 角膜の変性→調整不可能
(3)調節障害
①調節とは?→水晶体を厚くする
水晶体を厚くする: 毛様体筋収縮→Zinn小帯緩む、短くする→水晶体厚くなる
調節障害=弾性失って硬くなる
②調節力の計算
@近点: 最大調節の時にピントが合う距離
遠点: 全く調節しないでピントが合う距離
→調節力=1/近点-1/遠点(m)
= 100/近点-100/遠点(cm)
≒1/近点(m)
@網膜より前方= (+)
網膜より後方= (-)
@角膜の調節力40D >水晶体の調節力20D
§総論2: 神経系の側面-解剖生理と症候
(1)解剖生理学
網膜←脈絡膜
乳頭部: 神経節細胞が集まる→視神経
視細胞
錐体 | 明るい所の視力 | 明順応 | 中心 | |
桿体 | うす暗い所の感覚 | 暗順応 | 周辺 | ロドプシン: VitA |
視力: 視神経→視交叉→視索→外側膝状体(neuronバトンタッチ)→視放線→後頭葉
反射: →EW核(節前)→毛様体神経節(節後)
近見反射: 両目輻輳à 調節à 縮瞳
調節: 前房浅くなる、縮瞳、水晶体厚くなる、毛様体筋収縮
瞳孔径→加齢とともに小さくなる
(2) 弱視: 大脳における視覚野の発達障害
→小さいときに眼を使っていなかった。視覚系は生まれてから発達。Cf. 聴力は胎児から
○眼を使わなかった/使えなかった理由@
①先天性白内障
②遠視 →1. 近視は弱視にならない
③不同視(2D以上):弱い方の信号を受けれなくなる
@④斜視 →2. 斜位は弱視にならない: 斜位は眼位はずれているが両目で見ている。
→3. 調節性内斜視は弱視にならない: 遠視で見ようと努力しているので弱視(-); 調節と輻輳は同時に起こってしまう。
Cf. 先天性内斜視→脳腫瘍や網膜芽細胞腫も斜視の原因となる→眼底検査を行う
先天性内斜視に必要な検査: ①眼底検査②視力検査(弱視の有無)③屈折力検査(遠視による調節性内斜視)
(3)視野障害と暗点
①視野異常
視神経交差より前 →片側の視力低下
視神経交差部 →外側×
視神経交差より後ろ→同名半盲
正常視野範囲
上側 | 鼻側 | 下方 | 耳側 |
50度 | 60度 | 70度 | 90度 |
②暗点
Ltの眼底: 乳頭部が鼻側→Ltの視野: 患者が視ているオリエンテーションで表示
○暗点の種類
1. 中心暗点=注視点暗点
→①黄斑部の疾患: (1)加齢性黄斑変性、(2)DM: 出血、虚血
→②視神経の疾患: 球後視神経炎
2. マリオット盲点拡大→うっ血乳頭
3. マリオット盲点から連続≒弓状暗点→開放隅角緑内障
4. 輪状暗点: 網膜色素変性症≒桿体細胞が変性する
乳頭部の特にやられやすい部分
Seidal暗点:正中を越えないもの
Bjerrum暗点: 正中を越える
⇒どちらも中心点=注視点を避けた暗点
語呂: Sub, Beyond
Cf. らせん状(管状); 心因性
(4)色覚異常
@スクリーニング: 仮性同色表
アノマロスコープ: 上下の色合わせ⇒確定診断に必須
§総論3: その他
1. 眼窩の骨
@眼窩内に存在: 涙腺
眼窩を構成する骨:
上; 前頭骨、下; 上顎骨、外; 頬骨、後; 蝶形骨、@内側; 涙骨、篩骨、口蓋骨
2. 羞明と飛蚊症@
羞明 →前眼部の障害: 角膜炎、虹彩毛様体炎、白内障
飛蚊症→後眼部の障害: ①硝子体(混濁、血腫、後部硝子体剥離(少し網膜が剥離))、②網膜
⇒後ろの方だと十分に屈折しない??
☆羞明の原因-詳細に
1. 眼内に大量の光が入る
散瞳剤使用後、病的散瞳
2. 光の変な屈折に対する過敏反応
白内障、角膜疾患(眼瞼内反含)、虹彩毛様体炎(角膜混濁?!)、先天緑内障(角膜混濁)
3. 眼球の光に対する過敏性亢進
白子、全色盲(一色型色覚)
眼球運動痛→ 視神経炎; 視神経膜と外眼筋付着部が連続しているため
3. 充血
血管が拡張: 球結膜の血管拡張⇔D/D結膜下出血(日常的): ベターっと赤い
→①結膜充血: 周辺部、赤い(浅)
→②結膜炎:
結膜充血 | 毛様充血⇒うっ血 | |
場所 | 周辺部、赤色(浅い) 結膜と瞼の折り返し→抗原が蓄積しやすい ○角膜の表層、結膜 ⇒結膜表層より浅い層の問題 | 角膜周囲放射状、紫色(深い、静脈?) →角膜の静脈は虹彩毛様体の深部に入ってくる ○角膜の中~深層、虹彩、毛様体 ⇒結膜より深い層の問題 ⇒前眼房の圧が高くて毛様血流うっ滞 |
原因@ | *結膜炎 *表層角膜炎 | *角膜実質炎 *虹彩毛様体炎: D/D①虹彩毛様体炎: 縮瞳 ②閉塞隅角緑内障: 散瞳 |
Cf. 球結膜充血=結膜充血+毛様充血
(まぶたの裏側の部分を瞼結膜、白目を被う部分を球結膜という)
4. 複視
急激な眼球運動障害をもたらす疾患⇒海綿静脈洞周囲の疾患
①Tolosa-Hunt症候群 ②眼窩蜂巣炎 ③眼窩先端部症候群
5. 眼瞼下垂
上眼瞼挙筋(動眼神経) | ①挙筋自体の異常: 先天性、眼筋ミオパチー ②挙筋腱の伸展: 加齢性、コンタクトレンズ ③動眼神経麻痺 ④神経筋接合部異常: 重症筋無力症 |
ミュラー筋(交感神経) | ①交感神経麻痺: ホルネル症候群 |
5. Adie瞳孔とArgyll Robertson瞳孔
| Argyll瞳孔 | Adie瞳孔 |
瞳の状態 | 縮瞳していること多い(両眼性多い) | 散瞳している(片眼性多い) |
対光反射 | 消失 | 遅延 |
輻輳反射 | 保持 | 遅延 |
病態@ | 上丘レベルでの中脳水道周辺部の障害 | 不明。毛様体神経の異常再生と考えられている。 |
病因@ | 梅毒、松果体部腫瘍、糖尿病、MS | 特徴: 深部腱反射消失を高率に合併 |
語呂: Argyllで服装は大丈夫だが、対人が×
Adieは強直性瞳孔→散瞳したママ動かない=反射遅延
6. 視神経萎縮
単性視神経萎縮 | 圧迫:外傷、下垂体腫瘍、うっ血乳頭 |
炎症性視神経萎縮 | 視神経炎 |
緑内障性視神経萎縮 | 緑内障 |
網膜性視神経萎縮 | 網膜色素変性症、長期にわたる網膜中心動脈閉塞症 |
§各論
<炎症性疾患>
(1)眼瞼と涙腺
①眼瞼
汗腺 | Moll腺 | |
脂腺 | Zeis腺 | 眼瞼腺 |
急性炎症 | 外麦粒腫 | 内麦粒腫 |
⇒水分の蒸散防ぎたいので油が必要!!外側面は皮膚と同じ=汗腺ある!!
語呂: モーゼメ!!(Moll腺、Zeis腺、Meibome腺)
1. 急性炎症、黄色ブドウ球菌@
→麦粒腫(ものもらい)
治療: 抗生剤、切開・排膿
2. 慢性炎症
→霰粒腫: 無痛性硬結、細菌感染ではない
治療: F/U, 切開掻把
②涙腺
涙小管→涙嚢→鼻涙管を通り→下鼻道
○鼻涙管は閉塞しやすい
@涙嚢で鬱滞: 慢性涙嚢炎→周囲の蜂窩織炎→急性増悪して急性涙嚢炎へ
症状: 流涙、脂肪、内眼角の発赤腫脹
(2)結膜炎
○症状: 眼脂、眼瞼浮腫、結膜充血 cf.麻疹のカタル期→眼脂陽性
Cf. 眼脂(目からの老廃物)を認めるもの: 結膜、涙嚢、鼻涙管の炎症⇒老廃物排泄装置である涙液がうっ滞する疾患で生じる。つまり単純角膜炎では生じない!!角結膜炎では生じる!!
○原因は??⇒炎症=感染性、自己免疫性
①感染性: D/D point; 耳前リンパ節腫脹
*ウイルス性
疾患名@ | 原因ウイルス | 潜伏期 | 特徴 | 対策 |
流行性角結膜炎 | アデノ8 | 1週間 | *感染力(+++), 症状(+++), *濾胞性結膜炎(円蓋部に) *点状表層角膜炎(視力障害のリスク) | 接触感染の予防(アルコール消毒徹底) 2-4Wで自然治癒 |
急性出血性結膜炎 | エンテロ70 | 1日 | *結膜下出血 *耳前リンパ節腫脹は軽度 *角膜傷害は認めない | |
咽頭結膜炎 | アデノ3、7 | 咽頭炎 |
左: 流行性角結膜炎 右: 急性出血性結膜炎(べたーって)
*クラミジア
特徴 | 治療 | |
トラコーマ | 急: 流行性角結膜炎に似ている→慢: パンヌス; 血管が角膜に侵入 | テトラサイクリン、マクロライド、ニューキノロン |
封入体結膜炎 | 母児垂直感染(経産道)、頸管炎 トラコーマの急性期と似ている(軽症) 肺炎などの全身症状(+) | テトラサイクリン、マクロライド、ニューキノロン |
②免疫性: D/D point; アレルギー性結膜炎→掻痒感
○花粉症
*検査: 涙Eo↑、血中IgE↑
*治療: 抗アレルギー薬、ステロイド点眼
○春季カタル: Ⅰ型+Ⅳ型
Cf. ツベルクリン反応は4型
(3)角膜炎
○症状: 眼痛(三叉神経支配なので)@、異物感、流涙、羞明(前眼部の混濁)
⇒炎症は①刺激して②変性させる
①角膜への刺激(=三叉神経への刺激)眼痛、異物感、流涙
②羞明
○原因
**感染性
①細菌性(=匍行性): 外傷契機に黄色ブドウ球菌侵入→深い潰瘍形成→前房蓄膿
治療: 抗生剤点眼
②ウイルス性: HSV-1; 三叉神経節に潜んでいる
有痛性角膜知覚低下という変な症状@
深さ | 肉眼所見 | 病態 | 治療 | |
上皮型 | 浅い | 樹枝状潰瘍 | ウイルスによる | ACV |
実質型 | 深い | 円盤状→虹彩毛様体炎 | ウイルス+免疫応答 | ACV+ステロイド |
**他には: Sjogren, 顔面神経麻痺, 眼瞼内反
**水疱性角膜症
病態: 角膜内皮の障害→実質浮腫
リスク: 白内障の前房内レンズ術後
Cf. アカントアメーバ角膜炎
(4)ぶどう膜炎: key; カーテン(虹彩)の出過ぎを抑えましょう!!(抗炎症効果あり)
①虹彩毛様体炎
○病態@: ぶどう膜に炎症+前後への波及(縮瞳による)
1. 直: 虹彩腫脹→毛様充血、縮瞳 (D/D: 閉塞隅角緑内障; 充血+散瞳)
縮瞳→前にも後ろにも炎症を播種させる
2. 前: 隅角狭く→眼圧↑、ルベオーシス(新生血管)
3. 後: 硝子体混濁
眼圧正常値: 10~21mmHg
○原因は??@
*感染性→トキソプラズマ、梅毒、結核、眼部帯状ヘルペス(菌血・V+α)
*免疫性
疾患名 | 特徴 |
ベーチェット | 好中球の前房蓄膿 |
サルコイドーシス 本邦最多のぶどう膜炎の原因 | *肉芽腫 前:豚脂様角膜裏面沈着 後:硝子体にも肉芽腫(真珠の首飾り様) 後:網膜静脈周囲炎 |
○治療
ステロイド(点眼)+アトロピン(散瞳させて炎症の撹拌を防ぐ)
○検査2+1所見:縮瞳、毛様充血+(前房浅い)→虹彩毛様体炎
②原田病@: 脈絡膜の炎症→@網膜剥離へ
*病態: メラノサイトへの自己免疫疾患→1. 皮膚の白斑、2. 内耳難聴
*症状: 感冒から
@1. 目への: 脈絡膜炎→眼底浮腫、蛍光漏れ→夕焼け状眼底(メラノサイト消失により赤色↑)
2. 目以外: 髄膜炎、耳鳴り
☆蛍光眼底造影で浮腫→脈絡膜炎or 網膜血管の炎症: 特徴的な限局性漿液性網膜剥離
D/D 網膜血管の浮腫なら→眼底写真で硬性白斑(+), 出血(+)
ベーチェット: シダ状蛍光漏出, ほうき状蛍光漏出
③交感性眼炎@
病態: 外傷、免疫応答
原因: 眼ぐちゃぐちゃ→ぶどう膜暴露=抗原になっている→ぶどう膜炎
治療: ステロイド(全身投与)、受傷眼の摘出
http://ri-center.w3.kanazawa-u.ac.jp/hokurikuRI_HP/pdf/saizensen06-2.pdf
3/4
白内障、緑内障
<白内障>
病態: レンズが白濁する@、比較的短期に視力障害が進行することもある
原因:
①先天性: DOWN, 風疹
②老人性: 車軸状の変性
@③続発性: ステロイド、放射線、DM、外傷性、アトピー性皮膚炎
診断: 細隙灯顕微鏡; 角膜、虹彩、水晶体前面からの反射、水晶体後面からの反射、硝子体の反射
→術後視力回復を得られるかどうか検査する必要があり、ERGが施行されることもある。
血管新生緑内障→前房浅い
治療: 白濁した水晶体を摘出+眼内レンズ@
@①嚢内摘出: 嚢ごと全部取る→レンズの固定が難しい→水疱性角膜症、硝子体前方移動=網膜剥離
②嚢外摘出: 後嚢は残す→残った後嚢の白内障
→改良バージョン=超音波吸引術: 3mmの切開でOK
挿入レンズの計算に必要なもの: 眼軸長、角膜屈折力
術前検査: 角膜内皮細胞数、②角膜形状検査(ケラトメーターなど)、③眼軸長(US Amode)
<緑内障>
(1)閉塞隅角緑内障
房水の鬱滞→眼圧↑↑
①角膜: 浮腫→光虹視
②虹彩:
*毛様充血(鬱血): 角膜周囲の血管が放射状に充血(角膜周囲の血管は虹彩毛様体に流入するので)
*散瞳: 圧によって縮瞳する筋肉麻痺してしまうから
(前房浅くなっている∵後房圧↑)
③網膜: 視力低下
治療:
①房水産生↓: 炭酸脱水素酵素阻害薬(ダイアモックス)内服
②房水吸収↑: マンニトールを点滴静注、散瞳解除(縮瞳):ピロカルピン点眼投与
補助: 周辺虹彩切除術レーザーで穴をあける→房水を後房から前房に送る=隅角を広げる、網膜への圧排を解除する→原発性閉塞隅角緑内障では薬物療法効いても施行する。
(2)開放隅角緑内障
病態: 線維柱帯の目詰まり(隅角は広い)=流れにくい→房水の軽度鬱滞→慢性、軽度、眼圧正常~少↑(日内変動大きい)
症状: 初期から傍中心暗点、神経線維束欠損を認める
①視神経乳頭部に症状→Cup/Disc比↑↑
@②弓状暗点、鼻側視野欠損(気づきにくい)
@治療:
①産生↓: 炭酸脱水素酵素阻害薬、@βブロッカー点眼
②吸収↑: ピロカルピン点眼(縮瞳)、PG点眼、(マンニトールは効果強いので急性に、逆にβブロッカーとPGは作用遅いので急性には△)
③線維柱帯切開術
まとめ
| 即効性 | ゆっくり |
房水産生低下 | ダイアモックス | βブロッカー点眼 |
房水吸収亢進 | マンニトール ピロカルピン(散瞳薬) | PG |
(3)発達緑内障@
出生時から症状
隅角の形成×→高眼圧↑
→①眼軸長↑②角膜径↑(1歳以下、≧12mm)③角膜×: 流涙、羞明④眼瞼ケイレン(眼圧↑)
(4)続発性緑内障=隅角が狭くなる
①虹彩毛様体炎
@②新生血管緑内障: 虹彩毛様に血管新生=ルベオーシス
@原因: DM 、網膜中心静脈閉塞症、ぶどう膜炎
<網膜疾患>(1)血管性、(2)黄斑疾患、(3)網膜変性、(4)網膜剥離
(1)血管性
1. DMと高血圧
*非特異的病態; 出血、虚血
DMもHTも→血管破れたり: ①RBC出血、②脂肪沈着(視神経の髄鞘に): 硬性白斑(星状斑)
→詰まる: 虚血→軟性白斑(綿花様白斑): 新生血管できる
新生血管→①網膜前出血②硝子体出血→牽引性網膜剥離
*特異的所見; 変性
DM: 動脈瘤
HT: ①圧が高くなると→動脈がspasm生じて狭小化する(中枢も狭小)
②動脈硬化→内腔細くなる=銀銅線
③網膜動脈壁にヒアリン変性→動脈の反射↑
④交差現象→上の動脈が静脈を締め付ける
Cf. 糖尿病性網膜症と加齢黄斑変性症の眼底所見の違い
⇒加齢黄斑変性症は黄斑部周囲に注目!!網膜における出血斑だけでなく、中心性漿液性網脈絡膜症のように、黄斑部が膨隆しているはず!!
○診断:
@蛍光眼底: ①血液もれ② 無血管野③新生血管→さらに動脈瘤も明瞭にわかる
○糖尿病@
1. 突然の視力低下→①黄斑部に出血、虚血②新生血管から硝子体出血
2. 治療: 汎網膜光凝固; 虚血させ需要をへらす、硝子体切除
3. 糖尿病網膜症の分類
網膜症例期 | 眼底所見 | 治療 |
単純網膜症 | 毛細血管瘤、網膜出血、硬性白斑、網膜浮腫 | 血糖コントロール |
増殖前網膜症 | 火炎状網膜出血、軟性白斑、静脈異常、網膜内最小血管異常(IRMAアーマ) | 血糖コントロール+光凝固手術 |
増殖網膜症 | 新生血管、網膜前出血、硝子体出血、線維血管性増殖膜、牽引性網膜剥離 | 血糖コントロール+光凝固手術+硝子体手術 |
前増殖型と増殖網膜症はレーザー光凝固の良い適応。
○高血圧
①血圧高いこと→高血圧性
動脈硬化→銀銅線、交差現象
②合併症: 網膜静脈閉塞症; 血管閉塞が原因(DM、動脈硬化、交差現象)
出血: 火炎状出血(静脈性だが鬱滞したものが破れるので派手)
cf. 分枝閉塞:上耳側が多い(静脈は、末端部上耳側から乳頭に集まってくる)
鬱滞→新しい血液入ってこない→虚血=軟性白斑、新生血管↑↑→虹彩ルベオーシス(新生血管できはじめると進行し続け、虹彩にも及ぶ)
高血圧性変化 | 動脈硬化性変化 | |
Ⅰ | 動脈血管狭細化 | 動脈壁反射亢進 |
Ⅱ | 血管口径不同 | 動静脈交差現象 |
Ⅲ | 出血・白斑 | 銅線動脈、交差現象著名 |
Ⅳ | 乳頭浮腫 | 銀線動脈 |
2. 網膜中心動脈閉塞症
血栓、塞栓→血流低下→急激な視力低下
D/D黒内症→高齢者の急激な視力低下→頸部血管雑音聴取する
○眼底検査
①Cherry red spot; 黄斑部は脈絡膜と網膜動脈の両方からサプライ受けている
虚血部位=周囲=乳白色に変化
②蛍光眼底造影
○治療
40分以内に治療しないと×: ①何とかして血を送る ②酸素高付加する
①何とかして血を送る@
1. 眼球マッサージ
2. 血管拡張薬: 亜硝酸アミル、二酸化炭素吸入
3. 眼圧を下げる→網膜血管への圧迫を下げる: 前房穿刺、炭酸脱水素酵素阻害薬
4. 血栓溶解薬: t-PA
②酸素高付加する
5. 高濃度酸素吸入: 脈絡膜側からの血流を利用して酸素供給
Cf. 急激な視力低下→眼球内、眼底に有意所見なし→視神経より脳側の疾患
@
☆急激な視力障害を呈する眼科疾患⇒視神経、網膜自体か、網膜密接器官による
1. 視神経障害
2. 後眼部疾患
①網膜動脈閉塞症②網膜静脈閉塞症③硝子体出血④網膜剥離
3. ぶどう膜炎
☆夜盲を起こす疾患
1. 先天性
①進行性: 網膜色素変性症(Laurence-Moon-Biedl症候群、Usher症候群、Refsum症候群)、など
②停止性:小口病、眼底白点症
2. 後天性
①ビタミンA欠乏
②眼球鉄錆症:眼球内、鉄異物放置
☆眼球由来の眼痛
1. 炎症
2. 角膜上皮欠損
3. 急性閉塞隅角緑内障
(2)@黄斑部
中心性漿液性網脈絡膜症 | 加齢黄斑変性症 | |
好発 | 中年、男性 | 高齢者 |
病態 | 脈絡膜血管の浮腫→網膜盛り上がり | 脈絡膜から血管増生 →Bruch膜を壊して侵入 →出血繰り返し→ 線維化 |
症状 | 軽度(自然に吸収)→変視症、遠視(網膜が前方へ) 中心比較暗点 | 重症→中心暗点(黄斑部の疾患なので) 初期: 変視症を認める |
検査 | 蛍光眼底造影: 黄斑部に水がたまる | 眼底:血管増生、黄斑部が赤くて白い |
治療 | 光凝固: 吸収早める、くっつける | 新生血管を選択的に焼灼する |
Cf.ドルーゼン=Bruch膜の肥厚→老廃物のようなもので、これに対して軽微な慢性炎症が惹起される
*現在、加齢黄斑変性に対して、汎網膜光凝固は殆ど行われない→代わりに光線力学療法(新生血管のみ選択的に破壊する)。
(3)変性症
○網膜色素変性症@
遺伝性: AR
病態:進行性の疾患である; ロドプシン×→杆体の変性→最終的には錐体にも変性(病末期になるまでは、黄斑部がspareされる。)
症状: 夜盲、中心視力正、輪状暗点(まず杆体から変性=周辺視力↓)
@検査: 眼底: ①骨小体の沈着; 周辺に多い、変性した視細胞のゴミ
②乳頭部委縮(軸索変性)、③血管狭小化(需要の低下)
網膜電図: 視細胞の活動を見るもの; 平坦になる
(4)網膜剥離
→二つに裂ける: 視細胞と色素上皮細胞の間で割ける⇒初期症状=光視症: 繰り返す
→脈絡膜の支持がないと栄養が不十分→長期に剥がれていると変性してしまう
@○原因
①裂孔原性剥離: 強度近視など
②滲出液性剥離: 脈絡膜に炎症→浸出液押し出す
③牽引性剥離→硝子体出血: DM
○症状
飛蚊症
裂孔原性の場合は→光視症(ポンと裂孔できた時に電気的刺激)
○検査@
①眼底検査: 直像、倒像(周辺部がよりよく見える)
②Goldman三面鏡→眼内の前部も観察可能
③エコー
④ERG: 良く見えなかったときに補助として使う
○治療
内陥術: 後ろの脈絡膜と強膜を前方へ
裂孔原性: 光凝固; 穴を塞ぐ
**網膜芽細胞腫@
視神経にそって頭蓋内に侵入+血行性転移; 骨ならロゼット形成
遺伝形式: AD
白色瞳孔
<視神経疾患>(1)うっ血乳頭、(2)視神経炎、(3)骨折
(1)うっ血乳頭 cf. 緑内障で見られるのは乳頭陥凹
①頭蓋内圧亢進
②@眼底: 乳頭1. 発赤、2. 腫脹、3. 境界不明瞭
③傍中心暗点
Cf. 眼底の乳頭浮腫がみられる病態
1. 乳頭付近の視神経を含めた炎症→原田病
2. 脳圧更新状態→脳腫瘍、悪性高血圧、高炭酸ガス血症
Cf. 視神経乳頭蒼白⇒視神経乳頭から外側膝状体までの間の視神経障害を示す。
(2)視神経炎: 視神経は黄斑部から一番投射を受けている;1-2wksの経過で急速に進行する視力低下と視野欠損
乳頭炎
疾患 | 症状 | 検査 |
乳頭炎 | 中心暗点、 | *眼底: 初期変化なし→慢性で委縮=D/Dポイント *視野検査 *視覚誘発電位VEPで潜時延長 |
球後視神経炎(眼球の後ろ) | 中心暗点 | *眼底: 初期変化なし *視野検査 *視覚誘発電位VEPで潜時延長 |
Cf. 神経細胞がやられる疾患は電気的検査を試行する
①網膜色素変性症→ERG ②視神経炎→VEP
⇒刺激が入ってからが見たい=VEP
<外傷>
(1)角膜
**腐食性: 塩酸、水酸化ナトリウム
→とにかく生食で洗う(中和ではない!!!)
→@虹彩毛様体炎の予防: ステロイド、アトロピン
→感染予防: 抗生剤
**紫外線: 海、家、電気溶接
(2)眼内異物
×: MRI
○: X-P, CT, 眼内エコー
(3)骨折
①視神経管骨折@
原因: 眉弓外上側の打撲
@病態、治療: 浮腫が進行→視神経の圧迫→治療: 手術、ステロイド
②吹抜骨折
病態: 眼窩壁の骨折; 内壁と下壁の破壊→外眼筋が陥入
→動けない: 複視; 下壁=上転×、@内壁=外転×
→頬部感覚障害: 三叉神経第二枝の損傷
DD point: 動眼神経麻痺→瞳孔の異常なし
Cf. 網膜色素変性症と小口症
どちらも、夜盲症→でも進行しない小口病は視神経委縮しない
<診察、検査、治療>
(1)見える
*前眼部:
①斜照法; 斜めから光を入れて視る
②徹照法; スリットを入れて照らして反射を見る→今はやられないが細隙灯顕微鏡の原型
③細隙灯顕微鏡→角膜、前房、虹彩、後房、水晶体、硝子体
細隙灯に同時追加できる検査 | 検査内容 |
+Goldman圧平眼圧計: 左図 | 眼圧 |
+Goldman三面鏡: 右図 | 隅角、硝子体、網膜赤道面・周囲を観察可能 ⇒前眼部、後眼部の周辺部を観察できる |
網膜赤道面=網膜が始まるところ(緑丸)
*眼底
直像鏡: 観察できる範囲狭い
倒像鏡: 観察できる範囲広い→剥離はこっちでよ~~く観察
(2)見え方@
視野検査
検査名 | 検査内容 |
Goldman量的動的 | *指標を動かして見える範囲を調べる |
Goldman量的静的 | *指標を固定して輝度を変える *網膜のある点の感度 |
(3)電気生理
検査名 | 対象疾患 | 見ている物 |
ERG 網膜電図 | 網膜色素変性症、網膜剥離(広範囲)⇒網膜が広汎に変性する疾患 | 網膜大丈夫?? |
VEP 視覚誘発電位 | 視神経炎 | 視神経大丈夫?? |
ERG VEP検査
**VEP:
①視覚刺激により頭皮上で誘発される電位
②視神経から視中枢に至るまでの視路の他覚的検査法
③中間透光体の混濁には影響されず,高度視力障害者,意識障害患者,乳幼児でも可であり,網膜疾患と視路疾患の鑑別ができる
@**色覚異常: 錐体には3種類ある: 赤、緑、青
正常: 正常3色型色覚
色弱(赤色弱、緑色弱): 3色型色覚(弱いが認識している)
錐体が2種類(赤色盲、緑色盲): 2色型色覚
錐体が1種類: 1色型色覚
⇒赤と緑はX染色体上に並んでいる: 障害されやすい
⇒青は7qに乗っている
(4)治療
Cf. アトロピン: 散瞳は1週間ほど続く
○光凝固法の適応
①DM→汎網膜光凝固
@②未熟児網膜症→無血管野に照射して新生血管↓
③加齢性黄斑変性症→新生血管焼灼
④漿液性網脈絡膜症→吸収を良くする
⑤裂孔原性
→裂孔周囲にレーザー光凝固を施し、接着力を強めて網膜剥離を予防する
→剥離したらレーザーだけでは×内陥術必要。やりうるのは裂孔だけ!!
⑥閉塞隅角緑内障: トンネルを作る
適応ないもの@
①中心動脈閉塞症
②網膜色素変性症
③黄斑円孔→黄斑部に円孔生じるので接着すればよさそうだが、錐体細胞死滅させる恐れあり行われない
○蛍光眼底造影の適応
網脈絡膜や、視神経乳頭部に病変があり、動静脈に異常を来す疾患
○超音波Bモード適応
光が網膜まで届かない時
Cf. VEPや光干渉断層検査は光が届かないと使えない
@○ヘスチャート=Hess赤緑試験: 眼球運動の検査
○Weber 麻痺
Weber paralysis
*概念
中脳大脳脚レベルの血管障害のこと。
Benedikt 症候群 | Weber 症候群 |
赤核まで障害 | 錐体路を障害 |
*病因
後大脳動脈や後脈絡叢動脈脚間枝の血栓症
*症状
患側の動眼神経麻痺。
対側の片麻痺を呈する。
動眼神経麻痺で眼瞼下垂。
○コーツ病
*網膜血管拡張のため滲出液が網膜外網状層、網膜下腔に貯留し、網膜剥離をきたす。この結果視力が低下する。浸出液により多数の@硬質白斑が癒合した滲出斑が顕著に見られる。このため@白色瞳孔となる。
*@幼児期に発症し、8歳頃に診断される。片眼性が多く、その他は健康である。
○Tolosa-Hunt症候群: http://www.med.teikyo-u.ac.jp/~ortho/med/ana/ana111.htm
Painful ophthalmoplegia
*概念
眼痛(特に眼窩後部痛)と眼球運動障害による複視を主症状とする
海面静脈洞あるいは上眼窩裂部の非特異的炎症性肉芽腫が考えられている
*症状
一側の動眼神経、滑車神経、外転神経、三叉神経第1枝、第2枝、第3枝(稀)、ときに視神経、頸動脈周囲交感神経叢の種々の組み合わせの神経障害。
*検査
非特異的炎症所見
髄液: 正常が多いが、単核球優位の細胞数増多もある。
眼窩静脈造影:上眼静脈の上眼窩裂部の閉塞および海面静脈洞の充盈欠損
頚動脈造影:ときに内頸動脈サイフォン部の狭窄
*治療
プレドニゾロン1mg/kg/日の経口投与
○Usher症候群http://www.nanbyou.or.jp/entry/918
@比較的希な常染色体劣性の遺伝子疾患で、難聴と網膜色素変性を併発する。現在、10の遺伝子の変異が原因であることが分かっている。現在治療法は確立されていないが、将来遺伝子治療によって直すことが出来るようマウスを使った実験が進められている。
⇒メラノサイトは内耳にも存在し、光エネルギーだけでなく、熱エネルギーや音のエネルギーを吸収し限局させることに優れていることが判明している。
⇒Usher症候群はメラノサイトの異常(マクロで)⇒メラニン産生の障害度で難聴の度合い決まる?!⇒視力障害は必ず聴力障害に遅れてくる。⇒網膜色素変性は、メラニン↓による網膜の脆弱性で後発的に進行する。聴力障害は、メラニンによる音凝集能↓および防御能↓による破壊への脆弱性?!
○Laurence-Moon-Biedl症候群
*概説
ローレンス・ムーン・ビードル症候群とは、知能障害,網膜変性,性機能低下症,多指(趾)症を伴う常染色体劣性遺伝性疾患である。
*症状
・知能障害は約80%に認められ、小児期に発生し、加齢とともに進行する。
・眼の症状は90%の症例で認められ、夜盲症が初発症状として多い。
・性腺機能低下症は75%の症例で認められ女性にはまれである。
障害部位は大部分が視床下部で、一部は性腺原発である。指(趾)の異常は80%の症例で認められ多指(趾)症が多い。腎障害が高頻度に合併するといわれている。
*まとめ 5主徴
1.性器発育不全
2.肥満
3.知能低下・精神薄弱
4.奇形(多指・多趾)
5.網膜色素変性(色素性網膜炎)
6.その他:小人症
Low 知能、性機能、小人症、Moon: 肥満、網膜× Body×; 多趾症などの奇形
○多量の眼脂
→結膜、涙嚢、鼻涙管の炎症 cf. 角膜ヘルペスは眼脂
○白色瞳孔
1. 網膜芽細胞腫
2. 先天性白内障
3. 未熟児網膜症
4. 第1次硝子体過形成遺残
5. 網膜剥離
○うっ血乳頭と視神経炎
うっ血乳頭 | 視神経炎 | |
乳頭炎 | 球後視神経炎 | |
眼底 | 乳頭の発赤、腫脹、境界不明瞭、乳頭突出、静脈怒張 | 異常なし |
視力 | ほぼ正常、未治療では末期に低下 | 予後良好、初期より低下 1-2週間の経過で急激に進行 |
視野 | マリオット盲点の拡大 | 中心暗点、ラケット上暗点(石津暗点) |
色覚 | 正常 | 障害あり |
@眼窩痛 | 軽い | 高度 |
病態 | 脳圧亢進による | 視神経自体の炎症 |
片側・両側 | 両側性が多い | 片側性が多い |
左:うっ血乳頭 右:乳頭炎
○未熟児網膜症
[概説]
網膜の血管の未熟性に基づく疾患。在胎週数34週未満、出生体重が1800g未満の低出生体重児に起こり易く、生後3~6週ごろ発症する。
ヒトの眼は妊娠第3週ころにできはじめ、眼球の形がほぼ完成するのが7週ごろ。視神経乳頭部は中央よりやや鼻側にあり、鼻側の網膜血管は妊娠第8ヶ月くらいには網膜の端まで発達し終わるが、耳側の網膜血管は長いため9ヶ月以降にならないと発達し終わらない。したがって多くは耳側の網膜に病変が起こる。
[原因]
胎児が予定より早く生まれてしまったため、網膜血管の発達が終わっていない為に生じる。
高濃度の酸素の投与も要因の1つと考えられているがこれだけが原因ではない。
[症状]
網膜症をおこした赤ちゃんのうちの5%くらいは、急激に病状が進んで網膜が剥離し失明するラッシュ型というタイプで、このタイプは失明を予防することは困難。
出生体重が1000g未満で生存した児の4%では、血管成長の異常が進んで網膜剥離を起こし出世以後2~12ヶ月以内に失明する。
○黄斑円孔
黄斑における網膜剥離
硝子体から剥がして、ガスを充満させる
○硝子体手術
術後うつぶせ
液体+ガスで圧120%くらい
*ERG
a波: 視細胞
b波: 双極細胞などの内側層
律動小波はアマクリン細胞により形成される。
aの方が、bよりも小さい
*概説
中心動脈閉塞で、内側細胞が死滅しa波だけ目立つようになる。
律動小波は微小循環により支持されており、DMで消失する。
*正常型
白内障、硝子体混濁
*減弱型
網膜色素変性、網膜剥離、ぶどう膜炎、進行した糖尿病性網膜症、網膜中心静脈閉塞
*消失型
網膜色素変性や網膜全剥離
*陰性型
網膜中心動脈閉そく、網膜中心静脈(虚血)、増殖糖尿病網膜症、網膜色素変性、小口病
○虹彩ブロック、毛様体ブロック
虹彩ブロック=急性緑内障→虹彩に穴を開ける
毛様体ブロック=悪性緑内障→虹彩に穴を開けても治療にならない
○Eales 病
*概念
網膜静脈周囲炎に基づく反復性の網膜硝子体出血。
*疫学
30歳代の男性に、好発する
片眼性から両眼性に進行する
*検査
眼底所見(白鞘形成、白線化)
白鞘形成 |
*症状
急激に発症する、高度な視力障害
*治療
対症療法(ステロイド、レーザー光凝固)
○虚血性視神経症
前部虚血性視神経症の場合は、眼底検査で視神経乳頭に特徴的な蒼白浮腫(そうはくふしゅ)(むくみ)がみられ、視神経の発赤腫脹(しゅちょう)や出血を伴うこともあります。
後部虚血性視神経症の場合は、発症当初にはまったく眼底に異常がなく、瞳孔(どうこう)反応や視野検査や病歴などから診断することもあります。
○角膜層構造
○甲状腺眼症のサイン
Graafe徴候: 下方視しても黒目が消えない(眼球移動に上眼瞼がついていけない)
Dalrymple徴候: 正中視で上方に白目
Stellwag徴候: 瞼が閉じきらない
Giffort徴候: 上眼瞼反転不能
○甲状腺眼症
甲状腺に関係した抗体が眼球の周りにある脂肪や目を動かす筋肉の中に存在し、それが標的となって“炎症”が起こるもの。甲状腺機能亢進症(バセドウ病)でも低下症(橋本病)でも、また甲状腺機能が正常であっても甲状腺眼症は起こる。
◎眼底所見の見方(酒井式)
正常眼底 AMD
⇒層を意識すること
①加齢黄斑変性症は網膜と脈絡膜の間=ベターっと広がった出血
②網膜静脈閉塞症⇒網膜の上=まき散らす感じ=むらだらけの出血
⇒網膜色素変性症: 杆体異常つまり黄体周辺キレ~
Q: どっちがトキソ??
左がtoxoplasma
Toxoplasma眼症は網脈絡膜炎と呼ばれるように網膜と脈絡膜の間に病変を作る。そのため、辺縁がはっきりとわかる病変を形成しやすい。先天性toxoplasmaではほぼ必発の症状。
一方でCMVは網膜炎をもたらすので、病変の辺縁を追うことは難しい。網膜炎はあってもなくてもよい。
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