<解剖>
①力 ②紫外線 ③病原菌 から生体を守る
―――――――
角質細胞 *ケラチン **ケラトヒアリン顆粒
顆粒細胞 *ケラチン **ケラトヒアリン顆粒
有棘細胞 *ケラチン **ランゲルハンス細胞、メラノ細胞
基底細胞 *ケラチン **メラノ細胞⇒下二層は細胞成分で守るイメージ
―――――――turn over=28日
↑①デスモソーム:基底細胞とずれないように
ケラチン: ケラチンⅠ,Ⅱ重合→ケラチン繊維→張原細線維トノフィラメン→張原線維トノフィブリル
ケラトヒアリン顆粒:クッション
Cf. 半デスモソーム:基底細胞と基底板
②メラノサイト: 基底層に存在(基底細胞が最も大切なのでDNAを守る)
メラニン: チロシン→ドーパ→メラニン(チロシナーゼは酸化酵素)
産生↑: 紫外線にあたる、妊娠(性ホルモンに関与)、ACTH↑、MSH↑
産生↓: フェニルケトン尿症(チロシナーゼ阻害)
③Langerhans細胞: 有棘層に存在する, Bierbeck顆粒, CD1a
マクロファージ→抗原提示能
○汗腺
エックリン汗腺 | 発汗→BT↓、全身(手掌、額) |
アポクリン汗腺 | 外陰部、乳房、腋窩、口唇 |
○真皮
繊維芽細胞→産生;膠原繊維(90%), 弾性繊維, 細網線維, 基質(プロテオグリカン)
組織球
肥満細胞
形質細胞
○皮疹:2種類ある
①赤く水っぽい: 炎症がある→免疫、感染
②茶~黒、ザラザラ:ケラチノサイトがある→角化、腫瘍性
**血管性浮腫
C1 inhibitor×: 境界不明瞭、真皮下層~皮下組織の限局性浮腫、眼瞼・口唇・陰部など、気管支・消化器も、かゆみ±、補体↓→治療: @アンドロゲン製剤(産生↑)、トランサミン(消費抑制)、精製C1inhibitor
**皮膚線条
結合組織の破綻による皮膚の症状名: ステロド↑で線維芽細胞活性↓; DM, Cushing, スポーツ, 肥満など
□赤くみずっぽい:炎症があるもの- 免疫、薬剤、感染
<免疫性>
(1)じんましん:~24h
病態: アレルギ-Ⅰ→アナフィラキシー
膨疹: 真皮上層の浮腫; 血管拡張、透過性↑→赤く盛り上がる
Cf. 運動誘発アナフィラキシー:ヒスタミン活性化
食物依存性, 運動誘発アナフィラキシー
Cf. 蕁麻疹と湿疹の違い⇒真皮の深い層: じんま疹、浅い層: 湿疹
⇒表皮に及ぶかどうか
⇒表皮に及ぶ=湿疹で24hで消褪しない理由(?)
⇒じんま疹の方が深く、立ち上がりナダラカ、湿疹: 立ち上がり急(表皮の炎症)
左: 蕁麻疹、右: 湿疹
(2)湿疹(皮膚炎と同義):2種類ある→真皮(浮腫)+表皮(リンパ球浸潤+海綿状変性)→紅斑
排除すべきものが表皮にある(誤解も含めて): 病理的には表皮の炎症
湿疹△の語呂: コラ キケ シシ ノ
⇒苔癬化…苔癬と似ている??なら、治癒過程でリンパ球が心脾仮想に移動することをみてる??
○急性湿疹
真皮にアレルギーⅣ型
①表皮: 海綿状変性; デスモソームの癒着が緩む→丘疹(水が少ない)、水疱(水が多い)
②真皮にも間接的に作用; 血管拡張、透過性↑→紅斑
→まとめると急性湿疹=表皮と真皮に皮疹; 赤い盛り上がりの周りにブツブツ
○慢性湿疹
炎症を繰り返して表皮がボロボロ
→ケラチノサイトの増殖→①苔癬化=過角化②鱗屑=錯角化
Cf. 苔癬化と苔癬は違う!!
**急性湿疹で止まるもの:①接触性皮膚炎②貨幣状湿疹
**慢性湿疹にいたるもの@
=アトピー性皮膚炎;左右対称性の湿疹;①乳児期は顔に急性湿疹、②幼児学童: 肘や膝窩に慢性湿疹、③成人:上半身に慢性湿疹
→生理機能↓:①皮脂↓②白色描記(血管が収縮してしまうため)
(3)紅斑症:排除すべきものが表皮に(異常血球性: 白血病、MDS、UC 血行性感染:Tb、ウイルス)@
真皮に炎症及ぶ→血管拡張、透過性↑
多形滲出性紅斑 | Sweet病 | 結節性紅斑 | 硬結性紅斑Bazin | |
原因 | *感染による:単純ヘルペス、マイコプラズマ *薬による | *上気道ウイルス感染 *白血病、MDSを合併している可能性あり | *ベーチェット *サルコイドーシスによる | *Tb →乾酪性壊死 **結核へのアレルギーと考えられている →ステロイド効く |
場所 | 四肢伸側 | 顔面、四肢 | 下腿伸側 | 下腿下1/3 |
皮疹の特徴 | 鮮紅色 辺縁隆起して水っぽい 中心:紫、水疱→虹彩状 新旧混在→多形 | 紅色 辺縁隆起(隆起強い∵好中球が浸潤) 圧痛陽性 | 紅色 結節性 圧痛陽性 潰瘍陰性 | 紅色 硬結性 ***圧痛陰性 ***潰瘍陽性 |
@合併症 | SJS/TENへ | 発熱、血中白血球↑ | 発熱、血中白血球↑ | Tbによる全身症状 |
硬結⇒乾酪性壊死??⇒アレルギーでも乾酪性壊死??
○多形滲出性紅斑の重症型:全身→視力障害も呈しうる
| 全身症状 | 広さ | 虹彩状皮疹@ | 治療 |
SJS | + | 眼、口、外陰 10%以下 | 陽性、多発 | ステロイド |
TEN | ++ →MOF →発熱、関節痛 | 30%以上 | 陰性→代わりに表皮が壊死してしまう:紅斑、水疱、剥離 | ステロイド |
(4)天疱瘡: 抗体がデスモソームにつき剥がれる(アレルギー2型)
Tzank試験=水疱の中にケラチノサイト
尋常性 | 落葉状 | 水疱性類天疱瘡 | |
好発 | 中~老年 | 中~老年 | 老年 |
場所 | 基底細胞の上 Des3に抗体がつく →弛緩性=Nikolsky陽性 Tzank試験陽性 | 角層直下 Des1に抗体 →弛緩性=Nikolsky陽性 Tzank試験陽性 | 表皮と真皮の間=半デスモソームに抗体 BP180に抗体 →緊満性=Nikolsky(-~±):下の方なので刺激受けにくい?! Tzank試験陰性(基底層の下なので) |
特徴 | 粘膜病変(+) | かゆみ(+)EOS(+)→真皮に影響あると痒い?? | |
@治療 | ステロイド(+血漿交換+Ig) | ステロイド(+血漿交換+Ig) | ステロイド+DDS 重症例は血漿交換、Ig |
(5)膿疱症: 好中球で白い
@ | 掌蹠膿疱症 | 壊疽性膿疱症 |
概説 | 原因: 扁桃炎(A群β溶連菌)、副鼻腔炎、齲歯 場所: 手掌、足底部 皮疹: 膿疱 | 原因: UC、クローン、MDS、大動脈炎 場所:下腿に 皮疹: 小膿疱、多発、融合して深い潰瘍に 圧痛陽性 |
治療 | ステロイド外用+PUVA | ステロイド |
(6)薬剤によるもの: 薬疹→免疫的な機序
Ⅰ: 蕁麻疹様→アナフィラキシー
Ⅱ: 天疱瘡様
Ⅳ: 湿疹様(真皮+表皮: 海綿状変性)、紅斑様(真皮)→SJS→TEN
検査:リンパ球刺激試験
Ⅰ→IgE, Eo
Ⅳ→Patch test
○特殊な薬疹
①固定薬疹
@原因薬剤: NSAIDs, フェニトイン
病態: Ⅳ型アレルギー
皮疹: ①一定の場所②紅斑③境界明瞭でピリピリ感④皮膚粘膜移行部に生じやすい⑤軽快後に色素沈着することあり
②薬剤性過敏症症候群DIHS@
病態: HHV-6の再活性化, 原因薬剤投与の2-6週間後
皮疹: 丘疹、浮腫を伴う紅斑、顔の浮腫
cf. 表皮にリンパ球: 海綿状変性→丘疹(水が少ない)
特徴: ①38度以上の発熱 ②白血球↑、異型Ly陽性 ③肝障害などの全身症状
考察: どうして薬疹は皮膚にできやすいのか??UVによる偏性をうけて初めて膠原性を惹起するから。投与後のUVカットはどの程度の薬疹予防効果があるのか??
<光線と外力>
(1)光線過敏症
①紫外線から守れない=色素性乾皮症
概説: 遺伝性: AR, エンドヌクレアーゼ×
1. 日焼けしやすい: 紅斑→色素沈着、皮膚委縮
2. 皮膚癌、何でも癌生じやすい
@3. 神経症状=知能低下、角膜炎
②組織を傷害する活性酸素などが発生=ポルフィリン症@
1. 晩発性皮膚ポルフィリン症
1) 遺伝性=AD
2)アルコール→肝臓に障害
ウロポルフィリノーゲンデカルボキシラーゼ×→ウロポルフィリノーゲン↑
→活性酸素、尿:赤色(ウロポルフィリン)
2. 種痘様水疱症: 先天性だが遺伝性ではない
3. SLE
4. ペラグラ: Dementia, diarrhea, dermatitis
③抗原性
光線過敏症型薬疹: 薬に光線あたり抗原となる
(2)褥瘡: 2-3時間に1度体位変換
病態: 血行障害→虚血:発赤、水疱→壊死
リスク: 仙骨部、Alb↓、貧血
○褥瘡治癒過程@
黒色期: ①表面が壊死して黒ずむ②不良肉芽の下に炎症
黄色期: ①表面の壊死が剥がれる
赤色期: ①炎症がおさまり、きれいな肉芽
白色期: ①きれいな肉芽の上に上皮ができる
肉芽=肉のような色をした、組織修復の芽となるもの=増殖盛んな若い結合織
Cf. 肉芽腫: Tb, サルコイドーシス
○治療
1. 肉芽形成を整える環境をつくる=①壊死をとる=デブリ ②感染コントロール
2. 肉芽、上皮形成を促す=浸潤環境をつくる
<感染性>
(1)細菌性
①毒素型→
表皮剥奪素: デスモゾーム剥がす→水疱
②浸潤型:
急性; 真皮に炎症→紅斑: ブドウ球菌、溶連菌
慢性; 結節状: 梅毒
①毒素型
黄色ブドウ球菌
概説 | 治療 | |
伝染性膿痂疹 | 水疱のできた場所に菌→破れて別の場所に感染; 「とびひ」 ETが原因 | 外用抗生剤 |
SSSS ブドウ球菌性熱傷皮膚症候群 | 乳児に発生しやすい 咽頭に菌→毒素だけ血行的に拡散 ☆症状 ①全身皮疹: 顔、首、体幹 →Nikolsky陽性 ②発熱 | 経静脈的抗生剤投与 |
②侵襲型
急性-赤い(紅斑) | @慢性-盛り上がる(線維化) | ||||||||||||||||||||||||||||
(1)丹毒、蜂窩織炎
発熱、疼痛、熱感を合併する 治療: 抗生剤 | (2)梅毒 1期~3M
| ||||||||||||||||||||||||||||
(3)Tb ・尋常性狼瘡(蝶形紅斑の盛り上がったタイプ): 顔隆起した紅斑→cf. 有棘細胞癌のリスク ・皮膚線病→LNに乾酪性壊死→ろう孔=トンネル (4)非Tb性抗酸菌症: Mycobacterium marinum @四肢の外傷部位→結節、潰瘍 水、熱帯魚 | らい ・長い経過 ①類結核型(=T型)→菌を認めない ②らい腫型(=L型)→結節が多発「獅子様顔貌」 →両方とも抹消神経障害@ 治療: DDS, リファンピシン、クロファジミン |
(2)ウイルス性
結節: 増やす | 水疱: 壊す | |||||||||||||
パポバウイルス属のヒトパピローマウイルス
治療: 凍結療法、電気切除 | ヘルペスウイルス 回帰感染
**カポジ水痘様疱疹(疱疹性湿疹): 単純疱疹重症型 アトピーに感染すると重症に ①発熱、リンパ節腫脹②水疱が多発する →検査:Tzank試験、治療: 抗ウイルス薬 |
(3)真菌性-免疫不全性ではない=皮膚は真菌が好む
診断: 鏡検, KOH: 角層を融解→サブロー培地
治療:
①表在型→外用薬: イトラコナゾール
②深在性→内服: イトラコナゾール、5FC
表在性 | 深在性 | |
カンジダ: ①菌糸と胞子 ②常在菌 ③水場に多い | 指趾間びらん→第3脂間: 開きにくい 爪周囲炎→水がたまりやすい 皮疹: 紅斑、水疱、びらん | 皮疹: 鵞口瘡 口腔内に白苔 免疫下:不全、小児、ステロイド |
白癬菌 ①菌糸 ②いると病的 ③ケラチンが栄養素 | 足白癬(第4趾間) 爪白癬 体部、股部白癬 皮疹: 鋼板、水疱、びらん+白くふやけた亀裂 | Celsus禿創 @頭皮に膿瘍形成 →脱毛する **人畜共通 |
Malazezia furfur ①酵母状 ②いると病的 | 癜風: 若い男の背中 褐色斑 | |
Sporothrix ①酵母状 ②土の中 | スポロトリコーシス 四肢の傷口から侵入 →高温で生育できない 皮疹: 結節(肉芽腫)、潰瘍 @治療: ヨードカリ |
Sporothrix
疥癬症: トンネル形成
病因: ヒゼンダニ: 感染力が強い;STD, 家族内, 老健施設
皮疹: 紅斑、水疱、びらん
分布: 指間、下腹部、外陰部
症状: 掻痒感:夜に強い
@治療: イオウ剤、イベルメクチン
「褐色~黒色、ザラザラ」
角化細胞が増殖している!!
→①角化症、②腫瘍
□茶~黒、ザラザラ-角化症、腫瘍、母斑
<角化症>
概説: 表皮が増殖、ザラザラ、粗造
(1)遺伝性: 遺伝性の皮膚脆弱性を過角化で補填
尋常性魚鱗癬 | Darier病@ | |
概説 | 常染色体優性遺伝 フィラグリン欠損→ケラトヒアリン顆粒に異常(顆粒層にある) →顆粒層が薄くなる、角層が剥がれなくて厚くなる →粗造、乾燥した皮膚 10歳くらいまで進行、その後寛解 | 常染色体優性遺伝@ ATP2A2欠損→デスモソーム障害(desmosome: 基底と有棘層) 有棘層に裂隙が生じる →間擦部を中心に角化性丘疹 10歳頃から発症 |
治療@ | VitA(レチノイド)内服、活性型VitD3外用 VitA;正常な増殖を促す VitD:異常を抑える | VitA(レチノイド)内服、 活性型VitD3外用 |
VitA外用: レチノイド疣導滞
VitA内服: エトレチナート
(2)免疫性@
| 尋常性乾癬 | 扁平苔癬 |
真皮に炎症性細胞侵入→サイトカインにより角層増殖→錯角化 皮疹: 鱗屑、紅斑(真皮に炎症) 光顕: ①表皮突起延長=真皮が表層近くにまで上昇(血管)→Auspitz陽性 @②Munro微小膿瘍: 角層内に好中球 Kobner現象陽性=擦ると角化皮疹 ∵擦るとサイトカイン再放出 Cf. Nikolsky=擦ると水疱 合併症: 関節炎 | 真皮に炎症性細胞侵入→サイトカインにより角層増殖→過角化: 表皮肥厚 皮疹: 紫色で扁平に盛り上がり、ザラザラ**角層厚く、紅斑が紫色に見える 特徴: ①Kobner現象陽性、②Wickham線条 ③かゆみがある、口腔内にもできる
** 真皮に~は痒い??!! | |
@治療 | ステロイド外用/PUVA療法 *ステロイド内服は中止時に増悪させるので禁忌 | ステロイド外用/PUVA療法 |
類似疾患 | **Gilbert薔薇色肥厚疹 @①1~2か月で自然治癒、②紅斑+鱗屑、 ③長径が皮膚の割線方向に一致 |
(3)黒色表皮腫
原因:①2型DM:? ②癌:サイトカイン ③肥満:機械的刺激
→機械的な刺激がきっかけとなる→好発: 頸部、腋窩、大腿内側
病理: ①角層厚くなる→ザラザラ+黒く(メラノサイト↑)②角層が厚く折りたたまれている③核異形陰性
<腫瘍>
1. 表皮: ①角化細胞由来@②非角化細胞由来: Paget病、メラノーマ
2. 真皮
(1)表皮: 角化細胞由来
正常→ 過形成→ 良性→ 悪性
正常 | 過形成 | 良性 | 悪性 | |
核異形 | 陰性 | 陰性 | 陽性 | 強陽性 |
組織異形 | 陰性 | 陰性 | 少しはある | 強い |
病例 | 角化症 黒色表皮腫 | 乳頭腫 脂漏性角化症 | @扁平上皮癌 ①光線角化症:前癌状態→細胞レベルで癌だが、増殖してない ②Bowen病: 上皮内癌 ③有棘細胞癌 |
①脂漏性角化症
**良性/ 乳頭腫
**80歳以上で100%
**黒い粘土が張り付いた、茶色のしみが膨らんだ
特徴: Leser-trelat徴候=多発=内臓悪性腫瘍の合併
ケラトアカントーマ@①毛包由来②角化症③自然消褪
à 無限増殖ポイの角化??
②癌
| 皮疹 | 診断 | 治療 |
光線角化症 | 紅斑(反応性)と茶褐色斑混在、色調不均一、表面ザラザラ | 病理で核異形(+++)で診断 | 真皮層まで切除 凍結療法 |
Bowen病 | 紅斑は伴わない | 病理で核異形(+++)で診断 | 真皮層まで切除 |
有棘細胞癌 | リンパ行性転移する | *火傷後などに発生 |
○基底細胞癌
特徴: 低悪性度、正中部にできやすい(特に顔面鼻)、表面つるつるしている
(2)表皮: 非角化細胞由来
| Paget病:低悪性度 | メラノーマ:高悪性度 |
概説 | @外陰:アポクリン汗腺由来→湿疹様 @乳房:乳管由来→びらん Paget細胞: 大、明るい細胞質→腺癌とわかる 腺癌である∵細胞質大きい(分泌物蓄積) →印鑑細胞癌に似ている | バラバラしている 血行性、リンパ行性転移 |
(3)真皮由来の腫瘍
真皮構成物 | 良性 | 悪性 |
白血球系 | 肥満細胞腫 原因: 肥満細胞: アレルギー1型 特徴: Darier徴候 → 引っ掻いたところに膨疹 @皮疹: 褐色斑 治療: 抗ヒスタミン薬 | 菌状息肉症(悪性リンパ腫)/ATL(白血病) 皮疹:局面性類乾癬(大局面型)からの移行あり、 紅斑、結節 病理: Pautrier微小膿瘍 |
血管 | 単純性血管腫 | *血管肉腫①高齢者②額~前頭部③予後不良 *カポジ肉腫 HHV8↑↑→血管内に侵入@ 皮疹: 紫褐色斑、丘疹→多発 |
<母斑、母斑症>
1. 母斑、皮膚の奇形
病態:①真皮にメラノサイト増殖 ②真皮に血管増殖
→治療レーザー照射:色があると選択的に反応させることができる
①真皮にメラノサイト
(1)蒙古斑: 臀部
10歳までに消褪
(2)太田母斑: V1,2領域
②真皮に血管増殖→V1,2領域or 大きい→自然消褪しない
(1)単純性血管腫: 紅斑
良→自然に消褪: ①うんな母斑; うなじにできる②サーモンパッチ; 前額部、上眼瞼
悪→自然消褪しない: Sturgeweberに合併する; V1,2領域
: Kasabach-Merit; 大きいので局所的なDICとなる
サーモンパッチ
(2)イチゴ状血管腫: 紅色の隆起
乳児期に出来る、自然消褪
@○脂腺母斑(類器官母斑)→基底細胞癌
脂腺、付属器、結合織、表皮すべてが↑↑
→頭、顔の褐色斑
→円形脱毛症のように見える
2. 母斑症: 皮膚神経の奇形@
| 遺伝形式 | 概説 | 特徴的な所見 | @合併症 |
結節性硬化症 | AD | 血管線維腫(angiofibroma) 白斑(葉状白斑) *なめし皮様皮膚(結合織母斑) *爪周囲線維腫(kohen腫瘍) | *側脳室石灰化 *点頭てんかん →知能低下 | 肺: LAM 腎: 腎血管脂肪腫 |
神経線維腫症 1型=Von Recklinghausen 2型 | AD | *カフェオレ斑: 表皮、メラノサイト↑ *神経線維腫: やわらかい結節 **2型 神経線維腫陰性、神経鞘腫陽性、カフェオレ斑 | 神経線維腫 | |
Sturge-Weber | なし | 単純性血管腫: V1,2領域 紅斑 | *@軟膜石灰化→けいれん *知能低下 |
結合組織母斑
<総論>
1. 診察、検査
(1)健常皮膚、再現
①水疱-Nikolsky: 天疱瘡、SSSS
②角化症-Kobner: 乾癬、扁平苔癬
(2)硝子法
①紅斑: 消褪する
②紫斑: 消褪しない
(3)アレルギーⅠ型
皮内反応
スクラッチテスト
プリックテスト
(4)アレルギーⅣ型
パッチテスト: 二日後→紅斑/水疱
2. 治療法
*活性型VitD3: 表皮増殖抑制→角化症
*VtA内服: 正常細胞発育促す→角化症
*ステロイド: 免疫性に対して外用
→副作用: ①皮膚委縮
②酒さ様皮膚炎:毛孔一致性丘疹、紅斑: ステロイド中止で一過性に悪化
③血管損傷: 紫斑
④多毛
酒さ様皮膚炎
*PUVA療法(Psoralen外用or内服+ UVA): 紫外線(長波長)→日焼けしない程度のUV
@ソラレン誘導体がUVで変性→(1)DNA増殖を止める(2)メラニン↑
適応(考察)
①DNA合成阻害: 尋常性乾癬、扁平苔癬、円形脱毛症(表皮増殖しすぎて毛孔できない?!)、菌状息肉症
②メラニン誘導: 尋常性白斑
⇒narrow band UVBというPUVAに代わる治療も
3. 発疹のまとめ
A. 紅斑erythema: 皮膚の細小血管の炎症性充血
B. 膨疹wheal: 真皮内での限局性の浮腫
C. 丘疹papule: 直径10㎜以下の限局性隆起
①湿疹、皮膚炎群
②悪性リンパ腫、内臓悪性腫瘍
③肝・腎の慢性障害
D. 結節nodule: 直径10-20mmの隆起性病変
①表皮、真皮の腫瘍性変化
②肉芽腫性病変(リウマチ結節、Langerhans細胞組織球症)
③沈着性(黄色腫、痛風結節)
E. 水疱
皮膚炎群の機序
外傷後の繊維芽細胞増殖症
→膠原繊維増殖、紅色隆起、掻痒感、疼痛
→①重症:ケロイド、②軽症:肥厚性瘢痕
ケロイド | 肥厚性瘢痕 | |
境界 | 明瞭 | 不明瞭 |
外傷範囲を | こえる | こえない |
側圧痛(両方痛むが) | 陽性 | 陰性 |
拡大傾向 | 陽性 | 自然寛解 |
有痛性皮下腫瘍: ANGEL
A: angiolipoma 血管脂肪腫
N: neurilemmoma 神経鞘腫
G: glomustumor グロムス腫瘍
E: eccrine spiradenoma エックリンらせん腫
L: leiomyoma cutis 皮膚平滑筋腫
Livedoà 血管炎を考える: クリオグロブリン血症、SLE、PN
Cf. 麻疹の皮疹は汚い
○皮膚筋炎の疫学⇒5~15歳と40~50歳の二極性
○弾性線維性仮性黄色腫http://www.nanbyou.or.jp/entry/786
網膜色素線条: 弾性線維の断裂
皮膚: 10-20代に黄白色扁平丘疹~白色網状斑が、関節屈曲側、頚部、口腔粘膜部に出現する。
眼: 視力障害は網膜の脆弱性のため、出血・血管新生を引き起こし、重度な場合が多い。
心臓・血管: 内弾性板の変性石灰化により、虚血症状が起こる。
考察
角質増殖を起こすのは基底細胞の高さに炎症細胞浸潤??
⇒紅斑との差異は??皮膚炎は角質??
考察スーパー
①蕁麻疹: 真皮の血管拡張: histamineの反応だから当然!!血管は真皮にしかない!!
②湿疹(≒皮膚炎): 表皮にリンパ球⇒角層の海綿状変性⇒外から基底細胞、真皮細胞にサイトカイン⇒基底細胞の過増殖は生じにくい
③紅斑: 表皮真皮接合部に炎症細胞⇒立ち上がりなだらか cf. 丹毒は紅斑より深い。蜂窩織炎はもっと深い⇒色がムラムラ
④乾癬、扁平苔癬など⇒真皮上層の帯状リンパ球浸潤⇒内側から基底細胞を刺激⇒過増殖
ついでに紅皮症は2種類??⇒今度病理像で2種類にわけよう
①内側から刺激される: 乾癬、天疱瘡、T細胞リンパ腫
②その他: 湿疹(=皮膚炎)
今度⇒固定薬疹が皮膚粘膜移行部に生じやすいわけは??
脱毛を起こしやすい皮膚疾患についての考察
①毛は真皮というより表皮、脂腺、アポクリン汗腺に包まれている⇒これらに炎症を及ぼす疾患で脱毛は生じる?!
②ステロイド投与で多毛、テストステロン投与で脱毛→表皮過形成は脱毛をもたらす??
脱毛起こさない皮膚疾患:天疱瘡、SSSS(浅すぎる??)、TEN
脱毛を起こす皮膚疾患: 膿皮症、疥癬症、ニキビダニ症、真菌症、アトピーなど
○酒さ様皮膚炎
〆89. 酒さ様皮膚炎についての考察: 酒さ様皮膚炎の病理; ①表皮の菲薄化、妄行の拡大、膠原繊維断裂、(毛細血管の拡大)②湿疹性病変(海綿状態)、真皮上層のリンパ球浸潤、毛包周囲性リンパ球浸潤、毛包内の好中球浸潤、毛細血管拡大⇒この病理像を反映した皮膚所見として①皮膚萎縮、(皮下線条)、毛孔拡大②湿疹(特に丘疹)、潮紅、膿疱、毛細血管拡張を認める。⇒①の病理的変化が生じる原因としては、ステロイドによるMSCSや基底細胞の増殖抑制作用が考えられる。②に関しては、ステロイド外用によるリンパ球浸潤抑制効果のリバウンド現象が推測される。ステロイド外用薬耐性によりリンパ球遊走を抑制する作用が低下し、ステロイド塗布部に限局的なリンパ球過遊走が生じるものと考えられる。また①②の両項に毛細血管拡張を含めたが、それは、ステロイドのMSCS抑制作用により生じているのか、リバウンドによるリンパ球過輸送により生じているのか、それとも二つの合作用によるのか不明であるからである。詳細な説明を省いたが、毛孔と表皮は連続した組織であるので、毛孔拡大は表皮萎縮により説明されると考える。
○潰瘍を形成するとは??
血液などの組織を作るものが、その組織体積を十分に維持できなくなるような病態で生じるもの
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